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乙武さんのレストラン入店拒否問題に疑問。心のバリアフリーとは?

乙武さんが銀座のレストランにて車イスでは入店が困難という理由で門前払いされてしまったそうです。何とも酷い話だと感じるかもしれませんが私はどうにも違和感が拭えません。問題点と解決策はどこにあるのでしょうか。

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経緯

乙武さんのツイートから。時系列順です

 

補足事項

・該当のレストランはエレベータがなく階段のみ

・その事はレストランのHPに記載がある

・ふらっと立ち寄ったのではなく予約をしている

・連れと二人で入店。が、車イスを理由に拒否される

・身体を抱えて運んでほしいと要望するも拒否される

・乙武さんはショックを受けて上記ツイート

 

五体不満足を元に考える

乙武さんの著書である五体不満足では心のバリアフリーという言葉が出てきます。スロープなんかの物理的なものではなく、人との繋がりや思いやりといった精神的なものですね。当時はその表現に感銘を受けたものです。

そういうわけで物理的バリアと心のバリア、二つの観点から問題を考えてみました。15年程前に一度読んだだけなので本の中身はうろ覚えですが。。

 

物理的バリア

まずは物理的バリアに関してですが、該当のレストランはエレベータが止まらず2階までは階段で上がる必要があるとの事。

これでは車イスの方が一人で入店するのは不可能です。一般的に言って「物理的なバリアフリー化ができていない店」に当たるでしょう。

しかしそれが店主の責任かと言われると疑問です。区画が限定された土地があり、その上のビルの所有者がおり、不動産屋をかませて店主がテナントを借りている。実態はこんな所でしょうか。

店が狭く急な要望に応えられないのは店の問題ではなく不動産的な問題だと思います。特にこと東京に関しては人口密度が高いからとしか言い様がありません。

そしてそんな事を言っていたらレストランをオープンする事は不可能な話。店が狭い、店にエレベーターがないという事情を店側の落ち度とするのは余りにも理不尽です。

また乙武さん自身が言っているように今回の論点は店主側の物理的バリアではありません。

 

つまり物理的バリアには問題がなかった事になります(店主に言っても仕方のない事という意味)。

そしてそれは乙武さん側も同じ事。物理的バリアを減らしていけるよう日々活動に努めておられるでしょうが、訪れた店の事を現場で解決はできません。

 
結論:物理的なバリアは今回の論点ではない

 

実際どうするか

では乙武さんの要求ですが、実際問題「身体を抱えて2階まで運んでくれないか」と言われたら皆さんはどうしますか?

「イスを引いてくれないか」「向こうの席と交換してほしい」「横断歩道の向こうまで押してくれないか」こんな要求であれば大抵の人が聞き入れるはずです。

しかし2階のお店まで階段で身体を運んでくれと言われたらどうでしょう。申し訳ありませんが私はほぼ確実にお断りすると思います。

なぜなら転んで怪我を負わせてしまったらどうしようという不安を感じるから、そしてその不安を拭う術を私は持っていないからです。

スタッフなり周りの人なりが抱えて運んであげれば済む話、日本もこの店も遅れている。という意見も見受けられますがお手伝いするのが本当に怖くないのでしょうか?私は不安です。

忙しい忙しくないに関わらず躊躇するのはおかしい反応とは思いません。何かあった場合に誰がどういう形で責任を取ればいいのかわからないからです。

誤解を恐れずに言えば、障害の有無に関係なく単純に他人の身体に触れる事に抵抗のある人もかなりの割合でいるはずです。性別の違いがあれば尚更でしょう。

私は有名人の乙武さんだろうが一般人の佐藤さんだろうが、女性だろうが男性だろうが等しくお断りすると思います。それっていけない事でしょうか?

ちなみに乙武さんは体重40kg、専用の車イスは約100kgあるそうです。私は二つ返事でお手伝いなんてごめんですが、具体的にどうするのが正解なのでしょうね。

海外では入店拒否は差別であり賠償金ものだというコメントも見ましたが、ケースバイケースにも程があるでしょう。

もし危険に晒してしまったらそれこそ賠償金ものです。下手をしたら命に関わる事。そもそもお連れの方に頼めばいいと思うのですが、お連れの方も身体が不自由だったのでしょうか。

場合によっては「この程度の段数なら」とか「手すりもあって緩やかだし」といった判断でお手伝いする可能性はあります(いったん乙武さん自身を運び後で車イス?)が、基本的には丁重にお断り致します。

 

心のバリア

そういうわけで現場の判断で入店を断った事については妥当性があります。問題なのは丁重にお断りしなかった為、つまり言葉遣いが悪かった(と乙武さんには聞こえた)事のみです。

これが乙武さんの逆鱗に触れた唯一にして最大の理由でしょう。先の通り乙武さんはエレベーターが使えない物理的バリアを嘆いたのではなく店主の言葉の端々に心のバリアを感じたのです。

実際に何を言われたかはわかりませんが強い言葉を使ったのであれば店主側には反省すべきところがありそうです。では乙武さん側はどうでしょう。

まずレストランのオペレーション上、急に言われても対応が難しい事があるのは仕方ない話。今回の「車イスのお客様をご案内する」というのはそれに当たります。

急な要望でも空き具合によっては対応可能かもしれません。しかし今回はそうではなかったようです。

店内のレイアウトによっては対応する事によりお客やスタッフの動線を塞いでしまうかもしれません。そうしない為に前持ってテーブル位置を変えたり案内する席を決めたりするわけです。

これに関しては予約時に伝えなかった乙武さんに落ち度があるのは明白でしょう。伝えなければ自分が嫌な思いをするだけだと思いますし実際そうなっているのですから。

コース料理を予約した客が席についてから「卵と小麦のアレルギー持ちだからコースの内容を変更して欲しい」なんて言ってきたらどんなお店だって迷惑に決まっています。

コース内容がホームページに記載があるとなれば尚更、なかったとしても予約時にアレルギー持ちだと伝えるのは当然でしょう。もちろんアレルギーが悪でもなければ差別でもありません。

乙武さんには申し訳ないのですが「お客様は神様だ」という言葉を客側が言うような不遜な印象を私は受けてしまいました。

 

結論:心のバリアは双方に問題あり

 

私の見解をまとめるとこんな感じになります。

  店主 乙武さん
物理的バリア 対応は難しい
(国や自治体、不動産の問題)
対応は難しい
(日々の啓蒙活動くらい)
心のバリア 歩み寄りの余地あり
(丁重にお断りすべきだった)
歩み寄りの余地あり
(予約時に伝えるべきだった)

 

外野から文句を言える事件なのか

色々な方が店主宛に敵意のあるようなツイートをしていますが、第三者から口を出せる話ではないなと私は思います。

 

物理的バリアに関して

「今時バリアフリーに対応していない店の意識が低い」みたいな論調はさすがに綺麗事も甚だしいでしょう。実際この店も事前連絡があれば対応可能、と言っています。

 

スロープやエレベータ、そもそも店の規模。それはテナントの立場でどうこうできるものと思えません。賃貸契約の個人店にそこまで求めるのは現実的ではないでしょう。

広い間取りを探しては家賃もかさみ、スタッフを増やせば給料を払う必要があります。物理的なバリアに苦言を呈すなら政府や自治体、大手チェーン店に進言するのが正解だと思います。個人経営のレストランで聞き入れてくれる所はゼロだと思いますよ。

バリアフリー席を常に確保する、その証として店頭にバリアフリーマークのシールを貼り付ける、対象店舗に対して政府は助成金を出す。そういうアプローチを然るべき機関に提案するのが自然だと思います。

可決されるかは別として私個人としてはそれに税金を払う事に抵抗は感じません。

 

心のバリアに関して

また心のバリアに関しても同じ事。店主が乙武さんに何を言ったのか具体的には誰にもわかりません。

人によっては許せるレベルのものだったかもしれませんし、誰が聞いても憤りを感じるような言葉だったのかもしれません。ただ乙武さんは悲しい思いをした。それだけです。

この部分を当事者以外が叩くのはどうにも見ていて気持ちのいいものではありません。実際何を言われたわけでもない人が実際何を言われたのかもわからず「酷い店だ」と言っているのは違和感あり。

一見収束したかに見えますが実は言った言わないの水掛け論が発生しています。

 

情報は人や場所を経由する度に質が劣化していきます。それはコピーを何回も取っていくと汚くなるのと同じ事。伝言ゲームで当初と全く印象の違う言葉が回ってくるのはある意味当然と言えます。

乙武さんが一度発信しただけですでに話は食い違っているわけで、こうなるともう録音した音源がない限りアウトです。

「そこまで怒る事じゃないでしょ、別に普通の口調だよ」なのか「こんな事言われたら怒って当然だね」なのか。真実は誰にもわからないでしょう。

そして真実がわからない状態でそこに悪意のある発言をすればそれはいじめや差別と同義ですよ。最低でも発言の際には「もしそれが本当ならば」と頭につける事をおススメします。

つまり今回の件では物理と心、どちらのバリアに関しても外野が店主に向かってやいのやいの言う話ではないのです。それが許されるのは当事者である乙武さんのみ、かつ心のバリアに関してのみです。

 

店の名前を晒す理由はあったのか

ここまで騒ぎが大きくなっている(外野が店主に突撃している)のは乙武さんがツイッターというツールを使って店名を広めた事に起因しているのですが、これ本当に必要があったのでしょうか?

具体的に店名を挙げるという事は「この店で残念な事があった」と周囲に伝える意図があったのでしょう。「残念な事があった」のではなく「”この店で”残念な事があった」でなければいけなかったわけです。

 

「だから店主は反省してほしい」なのか「だから車イスの人はこの店に行かない方がいいよ」なのか「だからこういう対応の店は潰れて欲しい」なのか。上記のツイートからは2つ目・3つ目の意図を感じました。

先の通りどのような言葉を投げかけられたのかは当事者にしかわかりませんが、すでに店主は無礼な対応をしてすみませんと謝罪をし乙武さんも私にも落ち度があったと言っています。用はこれで手打ちなわけですね。

 

しかし議論はこれで終わりにはなりません。乙武さんの発言は数十万人のフォロワーに波及しこんな意見だって飛び出しています。

「TRATTORIA GANZO」店主への激烈リプライ – Togetter

 

何様のつもりだ、人として最悪、今更謝罪しても遅いなど2ちゃんねるもビックリの罵詈雑言が飛び交っています(リプライというのはその人へ通知がいくつぶやきです)。

見た目上は手打ちに見えても実際には店側は客足が途絶えて潰れるリスクを現在進行形で抱えており、店主自身への精神的ダメージも相当なものでしょう。

と言うか上記のまとめはいじめの証拠として提出できそうな過激さと思いますが。人によっては自殺してもおかしくない程ショックなのでは。

乙武さんの身体を抱えて階段を上るのと同じく、私は店主を傷つけてしまったらと不安でそんなツイートはできません。皆さんは怖くないのでしょうか。

そして何より残念なのは乙武さん自身がこうなる事を理解していたという点です。

ツイッターをやっていない人はピンとこないかもしれませんが、数十万のフォロワーを集める有名人には親衛隊のような方々が存在し常に発言をチェックしています。

誰にも気軽にメッセージを送れるのがツイッターの醍醐味でもありますが、「フォローしている人発」のツイートは全て丸見えになります。検索すれば「フォローしている人宛」のツイートも閲覧可能。

今回は乙武さんが店名を晒したので「乙武さん発」のツイートがチェックされた形になります。情報はどんどん拡散してフォロワーでない人にも届き、人によってはそこから店主へ悪意のあるメッセージを送っています。

ツイッターをやって長い乙武さんがこの流れを知らないというのは100%ありえません。

こういう事情も考えると店名を晒して個人攻撃に走るのはやりすぎだと私は思います。起こった事実だけを公表してそうならないよう啓蒙していく、それで良かったじゃないですか。

悲しい思いをする車イスユーザが一人でも減るように、というのは免罪符にしか聞こえません。私には店名を晒す事によって社会が良い方向に進む具体的なビジョンが全く見えないからです。

 

結論:悪意のあるリプライを送っている人は今すぐツイートを削除しましょう。犯罪級の暴言です

 

一番の問題は事前に伝えなかった事

ふらっと入った店で強い言葉を使われた、予約時に車イスと伝えたら理不尽に入店拒否された。それなら乙武さんの言う事も理解できます。心のバリアを感じるのも仕方のない事。

しかし今回はそうではありません。予約をしているのにも関わらず伝えていないのです。これにはやはり「わざわざ伝えなくても対応してくれるべきだから」という考えがあったのでしょう。

もちろん究極的には社会全体がそうなるべきでしょうが、残念ながらそれは現実の話ではなく理想の話です。

少なくとも2013年の日本では車イスで階段を登るには人の助けが必要であり、そうしなければ入れないレストラン(というより施設ですね)はゴマンとあります。乙武さんはそれを世界一知っている人のはず。

目指す未来はわかりますしそれはとても崇高なものだと思います。私達が全員で力を合わせていくべき事でしょう。しかし少なくとも現状がそうでないのであれば乙武さんから歩み寄って予約時に伝えるべきだったと私は思います。

五体不満足を読んだ私にとって乙武さんは障害に対して卑屈にならず自分から歩み寄って社会を変えようとしている人に思えたのですが、それだけに今回の件は残念でなりません。

実際問題、店主は敵意のあるツイートを乙武さんのフォロワーから受けています。乙武さんが最も嫌うはずの差別的な悪意のこもったツイートを、です。

予約時に一言だけ歩み寄っていれば回避できたであろう事態。そしてその相手を晒し者にするなんてショックでした。

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心のバリアフリーとは

実際にレストランを予約する際、車イスだという事を店に伝えないのは自然な事なのでしょうか。

伝えないのだとしたら、その理由は「わざわざ言わなくても現場で周囲が協力して対応してくれるような社会を望んでいる」からなのでしょうか。

そして伝えなかった事によって自分自身が嫌な思いをした事はないのでしょうか。

嫌な思いをした事のある人は今後は伝えようと思ったのでしょうか。思わなかったのでしょうか。

その回答を受けてでは具体的にどうしていくか。そうして歩み寄る事が心のバリアフリーの第一歩だと思います。

役所や公園などの公共機関を中心にバリアフリーの施設はどんどん増えていっているように感じます。

しかしそれは公共機関だからです。その為の予算が取れ、実行できる手段を持ち、施工できる権利を持っているから。まだまだ飲食店や娯楽施設には配慮が行き届いていないのが現状です。

車イスの方が予約なしでも気軽に施設を利用できる。どうすればそのような未来になるでしょうか。

人の間では心のバリアフリーを広め、公的機関や政府・大企業には物理的なバリアフリーを進めるように呼びかける。それがより良い社会への第一歩だと思います。乙武さんならそれを主導できるはずです。

21日18:00追記: 乙武さんが公式サイトにて情報を更新しました。それに関しての記事はこちら
レストラン入店拒否問題、乙武さんが公式HPで釈明。再度油を注ぐ結果に

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